口コミなどのネット意見

インターネット社会になって、学ばされたこともたくさんあります。その一つが、「話し合っても仕方ないケースも多い」ということです。ニュースに対するコメント欄を拝見すると、様々な意見が書いてあります。「このニュースは、誰が読んでも、良い話だろう」というものにも、必ず否定的なコメントの書き込みがあります。感じ方は、人によって違うものなんだと、あらためて深く実感させられる毎日です。意図的なコメントが続くケースもあります。集団でやっているのか? それとも個人が、そのように装っているのか? そんなことも、ネットの世界では分かりません。老若男女、誰でも書き込むのは自由、どんな“自分”が書き込んだのかは、周囲にはバレません。

 

そのような中で、当院も口コミで嫌な思いをさせられることがあります。それも仕方ないことと思って、自分の気持ちを整理しながら、成長の糧にしてきました。でも、事実ではないことを一方的な視点で書き込まれて、それを真に受けてしまう方も多いようです。それは、新たな不幸につながります。軽い気持ちで書き込んだ意見が、相手の生き死にに繋がってしまう事件だってあちこちで起こっています。書き込んだ方は、一時的な憂さ晴らしをしただけのつもりかもしれません。でも、された側にしてみれば、書き込み内容や、これから先のことをしょっちゅう考えて、ストレスを受け続けます。「いじめ問題」による引きこもりも、そのような背景があります。そこで、受診を検討している方が、事実に近づいていただくために、当院からもプライバシーに配慮しつつ、情報をいくらか提供しようと思いました。凶悪事件の現行犯だって、裁判では意見陳述の機会が与えられます。当院の意見を述べることだって許されるでしょう。ここは、どこかの国ではなく、日本なのですから。興味のない方は読み飛ばしてくださいね。

2ちゃんねるで有名なひろゆき氏が、「SNSというものは、嘘が嘘と見抜ける人でないと使うのは難しい」とおっしゃっているそうですね。現代の情報社会は、便利で生きやすいようでいて、実は生きにくい時代のようです。

 

・「 先生に知識がない。電話での相談もずさんで酷い。二度と行かない」

書き込みの方は、患者さんのご家族です。当院を受診されたことはもとより、家族の同伴で来院されたことすら一度もありません。患者さんの方は、これまでに、いくつもの心療内科や精神科への受診したけど合わなくて当院を受診された方でした。そして当院を気に入ってくれて、ご自分の伴侶にも当院受診を勧められたという流れがあります。私が、知識がなくて、ずさんな態度をとる医者だったら、そんなことはしないと思います

ある日、診察中に、急にご家族から、患者さんのことで相談電話が入りました。そこで心配しなくても大丈夫であることと、対処方法をお伝えしました。ご家族への説明だけでは心もとなかったので、横にいた専門家の方にも情報提供をして了解していただきました。 その後に、この書き込みです。患者さんが、誰との人間関係で悩み続けていたと思っているのか、書き込まれたご家族に尋ねてみたいです。

 

・「死にたいくらい悩んでいると伝えたら、考えが甘いと詰められた。人生初の心療内科だったが、高い金を払ったのに情けない」

この方は、実際は、他の心療内科で前から治療を行っている方でした。この方の友人が当院を受診して、私の診察を気に入ってくれました。そして、他院へ通院し続けて良くならないこの方に、当院への受診を勧めてくれたという流れです。当院を受診されたのは1回だけです。

1時間近く、ほとんど一方的に話されるのを聞いてから、話し合って、私なりの考えも伝えました。それが気に入らなかったようです。その後、数回にわたって、書き込みを変えて投稿され、「最近あったひどいこと」という感じで演出されました。

私は、一人の初診患者さんの診察に、1時間~1時間半の時間をかけます。そして診察を終えた後に、原稿用紙5~6枚分、字数にして2000~2500文字くらいのカルテ入力を行います。そのようにして、次回以降の診察に備えているのです。入力や反省の時間を含めると、1人の初診患者さんに2時間くらいの時間をかけています。医者一人が、一人の方に、2時間の時間を使い、その人の支払額は2700円程度。この金額が高いか、安いか? 感じ方は人それぞれのようです。

 

・「ウツだと思って苦しんでるのに、病状を疑われた。ネットのとおりにやればいいのでは?などと、精神科とは思えないようなことを言われた」

この方は、他院でウツ病として2年ほど治療を行われている人でした。そちらで改善しないし、薬を減らしたいのに、その相談に主治医が乗ってくれないということで、伴侶に当院を勧められて受診されました。

ただ、ウツ病の診察は、全国的に誤診が多いのです。これは十数年前から指摘されていることです。単なる疲労や適応障害、場合によってはアスペルガーなどの発達障害が誤診されていることもあります。ウツ病ではない人がウツ病として治療を受けても、意味がないことも多いのです。医者や薬剤師(製薬会社)、カウンセラーは儲かるでしょうけど。

そこで、まずはウツ病の基本的なことを知っておいていただきたいと思って、スライドも使って理解していただこうとしました。しかし、説明している時の表情からして、機嫌が悪そうで、全然関心を持っていない様子がうかがえました。「私の説明の仕方で不快に感じられることがあったら、すみませんね」などと、私なりに気配りをしながら話してみましたが、耳を傾けられませんでした。「全部、ネットで読んだことのある知識です。知りたいのは、減薬の仕方だけです」とおっしゃいます。それで、そこまでネット情報で学ばれているなら、減薬の仕方も調べられたわけでしょう?と返しました。すると黙られました。このまま診察を終えようかとも思いましたが、それも悪いと思ったので、当院が心がけている減薬の仕方を伝えました。さらに服用されている抗うつ薬の値段は、他の薬に比べて高いものであることもお話しし、それらのアドバイスを、読みやすいように、その場でワープロで作成して、印刷してお渡ししました。

そこまでして診察を終えましたが、初診の2週間後に、否定的な口コミを書き込まれました。書き込み先を間違えているのではないかと思ったりします。