「どのように感じ、どのように考えるかは、その人の自由」

これは誰もが知っている常識です。でも、これを受け入れて生きるのは難しいことです。私自身も余裕がない時はできなくなります。診察時に、良くなってほしくてアドバイスもしますが、それを疎ましいと感じる人もいらっしゃいます。徒労感でやるせなくなりますし、事実とは異なることを一方的に口コミに書き込まれたりして、腹が立つこともあります。

世の中には、周りの誤解を解こうとして、疲れ果てて調子を崩す人もいます。相手が変われば良いと思って、ひたすら相手に文句ばかりいう人もいます。自分の辛さを相手に気づいてもらいたいと思って、自分や相手を傷つける人だっています。

最近の脳科学によると、「人間の脳は見たくないものや聞きたくないものは、そもそも認識さえしない」そうです。先入観が大きいので、議論してもムダなことも多いというわけです。念のために言っておきますが、薬で性格や考え方を変えることはできません。

これらのことをわきまえた上で、どのような人づきあいをするか? 情報が氾濫している世の中です。巧妙な情報操作に、知らないうちに乗せられていることもあります。何を信じるかによって、向かう方向は大きく変わってきます。ちなみに、こんなことを考え続けるのも、私の自由ということになります(笑)。

自由には、あとから結果という責任をがついてきます。その人などに、何らかの形で“罰が当たる”など、それ相応の結果が現われてくるものです。それは、たくさんの人の人生や組織の盛衰を見続けてきて分かっています。自分がもっと成長していけば、流せるようになって、気持ちが揺らされなくなっていくのも分かっています。でも、その途中過程では、やっぱり腹も立ちます(汗、笑)。